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第23回定例研究会
2008年12月17日(水)18:30〜20:30
和食居酒屋 咲くら お茶の水店
参加者 26名

1.私の見つけたユニバーサルデザイン発表会
2.会則の制定と会費制、運営委員の承認について

年末の研究会ということで、忘年会を兼ねた研究会となりました。今回は参加者の皆さんによる「私の見つけたユニバーサルデザイン」の発表会を行いました。発表して下さった方と内容は以下の通りです。

1.飯嶋幸子 牛乳パックの切り欠きと音の出る計算機
2.大石奈々子 マジックカット(R)(旭化成パックス株式会社)
3.新井啓介 光と音の階段
4.柴田拓也 キューピーやさしい献立シリーズ(キューピー食品株式会社)
5.黒田裕子 様々な座り方が楽しめるロビーチェア
6.川添賢志 駅の2種類のスロープ
7.福西正太郎 テレビ番組の字幕
8.中島秀美 隅田川スーパー堤防南岸(千住汐入大橋周辺)
9.間瀬樹省 病院の壁面埋め込み型ダストボックス

発表後に人気投票を実施しました。結果は、1位飯嶋幸子氏、2位大石奈々子氏、3位柴田拓也氏でした。飯島さんは、計算機の実物を持参されており、参加者の皆さんが操作できたのが高得点につながったようです。表彰と賞品授与も実施し、楽しい研究会となりました。(事務局)

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第22回定例研究会

2008年11月26日(水)18:30〜20:00

井上眼科病院18階会議室

参加者 42名

勉強会「誰にでも伝わるユニバーサルプレゼンテーション」

デザイナー 磯村歩

今回は富士フィルムのデザイナー磯村歩さんに、プレゼンテーションのユニバーサルデザインについてお話していただきました。磯村さんは、プロダクトデザイナーとしてカメラや機器のデザインに関わってきましたが、ユーザーは戸惑わずに使っているのだろうかという疑問を持ち、実際の利用者を招きユーザビリティーテストを行うようになりました。次第にいわゆる健常者と呼ばれる人以外に興味が移り、その中で個人の活動として友人の方々とプレゼンの分かりやすさについて研究し、本にまとめられたのだそうです。

ユニバーサルデザインについて、現状の便利商品や環境配慮商品までユニバーサルデザインと一括りで語られることに違和感を覚えるとのこと。また、障害者を基点に発想したユニバーサルデザインを考えてみたいとのことで、手話や字幕などの幅広い効用についてご紹介いただきました。

プレゼンテーションのデモンストレーションでは、普通に画面と言葉を使ったプレゼンテーションと言葉だけのプレゼンテーション、画面だけで言葉は音を発しない(いわゆる口ぱく)プレゼンテーションの3種類を実演いただきました。これは、視覚情報と音声情報が無くなったらどうなるかを実体験するためのものです。視覚情報が無い場合には画像情報をいかに具体的に紹介することが出来るかが大切、また音声情報が無い場合にはジェスチャーや画面の文字を効果的に使って伝える必要があることともこと。そしてこれらの配慮を行う事は特性を問わず他の人にとってもわかりやすくなるということを説明していただきました。

最後には世界の著名人のプレゼン方法なども紹介していただき、通常の勉強会とはかなり違った内容でしたが、興味深く大変勉強になるお話しを聞くことが出来ました。(事務局)

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第21回定例研究会
2008年10月29日(水)18:30〜20:20
井上眼科病院18階会議室
参加者 39名

1.「私の見つけたユニバーサルデザイン」
TOTO株式会社 賀来尚孝

2.勉強会
−1建築家が医療・健康にどう関わってきたか?−
名古屋大学、名古屋市立大学名誉教授 柳澤忠

私の見つけたユニバーサルデザインでは、TOTO株式会社の賀来尚孝さんに、自社のUD研究所でのサイン事例や、出張先の駅で見つけたUD、さらには良くないと思われる例まで含め幅広い事例をご報告いただきました。
勉強会では、柳澤忠先生にお話していただきました。柳澤先生は、皆様ご存知の通り医療建築の第一人者ですが、結核闘病経験を活かした病院の診療圏の研究や、美術館での動線調査により建築が人間の行動を規定していることの問題意識から、医療建築において動線などの研究に基づく計画をされるようになったとのことです。
講演では、研究結果に基づく清潔ホール型計画の利点、モジュラー型手術室の開発、手術室の清潔性の研究などご紹介があり、より使いやすく機能的な設計を行うための様々な取組みをされたことが理解できました。また、建築と運営は一体であり、経営に寄与することが大切というファシリティマネジメントの考え方を強く意識されていることや、医師と仲良くなって設計を進めるという先生の人柄を感じることのできる内容もご紹介がありました。
ユニバーサルデザインについては、公平性を求める強い姿勢がある考え方であること、そして「病院」を「健院」に変える試みに必要な考えであるとの言葉で講演を締めくくられました。柳澤先生のこれまでの取組みやお考えをお聞きする大変貴重な機会となりました。(事務局)

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第20回定例研究会
2008年9月24日(水)18:30〜20:20
井上眼科病院18階会議室
参加者 27名

1.「日本福祉のまちづくり学会参加報告」
間瀬樹省

2.勉強会
デザインや建築計画は、障害をもつ人の生活環境にどのように貢献したか
−ノーマライゼーション実現のために歴史的背景からみる、過去と未来−
日本大学理工学部建築学科 八藤後猛

今回の研究会では、八藤後先生にお話していただきました。野村歡研究室では、特定の人を対象としないデザインを目指しており、当初から現在の「ユニバーサルデザイン」の考え方で研究に取り組んでいたそうです。
日本での取り組みの歴史を、1964年の東京パラリンピック、1970年の大阪万博までさかのぼり、そこで受けた衝撃とその後の意識の変化、当事者主体の運動が福祉のまちづくりモデル都市事業として政策化された経緯について紹介がありました。また、ノーマライゼーションの考え方やデンマークから広がった経緯、ノーマライゼーションはあらゆる学問が対象で、単に利便性追求でなく教育や就労まで含むこと、社会基盤整備として重要であることなどご説明いただきました。
お話の中で、車椅子トイレが例に挙げられていました。仙台の百貨店に車椅子トイレが出来た時、口コミで妊婦さんの利用が広がったこと、公共トイレでは鍵がかかって使えないトイレが多いことなどの例が挙げられ、特定の人のものにしないことの大切さや、あらゆる人の使用を拒否しない寛容さの重要性などのお話がありました。本当のノーマライゼーションを目指す先生の考えをお聞きすることができた貴重な機会となりました。(事務局)

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第19回定例研究会
2008年9月3日(水)18:30〜20:30
井上眼科病院18階会議室
参加者 59名

「第9回日本ロービジョン学界学術総会」予演会

1.眼科病棟におけるユニバーサルデザインを取り入れた
 トイレの患者満足度調査 井上眼科病院 看護部 中林裕美
2.医療施設におけるカラーユニバーサルデザインの検証
 井上眼科病院 森山涼
3.床の素材差による誘導の有効性に関する調査
 クワハタデザインオフィス 桑波田謙
4.駅からクリニックへのアクセス環境調査
 井上眼科病院 井上賢治
5.シンポジウム:眼科クリニックの開設・改装におけるユニバーサルデザインの重要性
 ユニバーサルデザインとは 座長 井上賢治
 光のユニバーサルデザイン研究 松下電工 最所祐二
 色と感覚で実現するユニバーサルデザイン 柏瀬眼科 柏瀬光寿
 視覚障害者、高齢者にもやさしいクリニック作り 井上眼科病院 塩川美菜子
 井上眼科病院との試み 神尾記念病院 神尾友信

今回の研究会は、今までで最高の59名の参加により開催されました。通常はテーブルを設置しているのですが、会場の広さの関係で、今回はチェアのみとさせていただきました。皆様には窮屈な姿勢での参加となってしまいました。
この日は予演会ということでしたが、この研究会での活動が元になった発表も多く紹介されました。「2」の森山先生の発表は、この研究会の分科会で行ったワークショップによるもの、また「4」の井上先生の発表は、この研究会が千代田区のまちづくり協議会に提案するために行った調査をまとめたものです。また、「3」の桑波田さんの発表も、この研究会参加者が中心となって行った調査によるものです。この研究会での活動が学会発表につながったことを嬉しく思います。
「第9回日本ロービジョン学界学術総会」は9月19日から21日まで、東京有明地区のTFTホールにて開催されます。ぜひご参加下さい。(事務局)

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第18回定例研究会
2008年7月30日(水)18:30〜20:30
東京メトロ南砂町駅周辺
参加者 20名

「南砂町駅周辺 サイン計画見学会」
場所づくり研究所有限会社プレイス 福永順彦

今回は初の屋外見学会ということで、天候を心配しておりましたが、無事晴れました。また、見学の最初の頃はまだ明るかったので、明るい時と暗くなってからの両方の雰囲気を見ることが出来ました。
当日は、場所づくり研究所有限会社プレイスの福永順彦さんの丁寧な説明を受けながら、南砂町駅を出発して砂町銀座まで約1時間半の見学となりました。このサイン計画は、住民参加のワークショップを通じて実現したもので、砂町地区を重点地区と設定し、平成16年に課題発見、17年度は提案、そして18年度に実現しようということで進めたものです。この地区は同じような道(都道)が多く、ランドマークになるものが少ないので、自分がいる場所が分からなくなってしまうことが多い地域です。そこで、南砂町駅、仙台堀川公園、砂町銀座の3地点を軸とし、置ける場所に置くのでなく、必要な場所にサインを設置することを実現しています。また、視覚障害のある方にもサインが役立つように、かすかな音色で場所が分かる工夫もしています。また、地図も濃紺をベースに道を白で示すという普通とは逆の色使いで、見やすい工夫が行われています。
この地区はモデルとしてサインが設置されましたが、このモデルを一般に広げることをぜひ実現して欲しいと感じました。また、見学に先立ちこの地区を歩いてみましたが、砂町銀座は非常に活気あふれる商店街でした。当日は時間が遅くてもうほとんどの店は閉まっていましたが、一度訪問してみてはいががでしょうか。お勧めです。(事務局)

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第17回定例研究会
2008年6月25日(水)18:30〜20:30
井上眼科病院18階会議室
参加者 34名

1.「私の見つけたユニバーサルデザイン」
神尾記念病院付属東洋治療センター 奥山健治

2.勉強会
「建物内におけるロービジョン者の歩行と注視」
東京理科大学 理工学部 建築学科 助教 松田雄二

3.調査報告
「床タイルによる誘導効果調査について」
株式会社クワハタデザインオフィス 桑波田謙

今回の「私の見つけたユニバーサルデザイン」は、神尾記念病院付属東洋治療センターの奥山健治さんに、発表していただきました。「鉄道編」と題し、小田急電鉄のロマンスカーについて実際に見学され、車内の様々な工夫についてご報告いただきました。
勉強会では、東京理科大学の松田雄二さんにお話していただきました。松田さんは、鹿島建設の原さんと一緒に、柏瀬眼科において「アイマークレコーダー」を使って、ロービジョンの方が何を手がかりに歩行されているかの研究をされており、その内容についてお話を伺いました。さらに、ご自身で研究されてきたロービジョン者の歩行について、様々な調査も含めてご紹介いただきました。
最後に、調査報告としてクワハタデザインオフィス桑波田謙さんに床タイルによる誘導効果の調査についてご報告いただきました。お茶の水・井上眼科クリニックで採用している床の素材差による誘導の効果について確認するため、点字ブロックとの比較調査を実施したのですが、素材差による誘導も効果があることが確認されました。(事務局)

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第16回定例研究会
2008年5月28日(水)18:30〜20:30
井上眼科病院18階会議室
参加者 29名

1.「私の見つけたユニバーサルデザイン」
井上眼科病院 堂山かさね

2.勉強会
「色のユニバーサルデザインについて」
株式会社ジーベック 前田耕造

3.分科会報告
「バリアントールによる色彩チェックワークショップ」
5月22日実施のワークショップの実施報告

2回目の「私の見つけたユニバーサルデザイン」は、井上眼科病院の堂山かさねさんに、発表していただきました。松屋のユニバーサルデザインショップを取材され、そこに販売されていた商品についての紹介とコメントをご報告いただきました。
勉強会では、株式会社ジーベックの前田耕造さんに、音のユニバーサルデザインについてお話していただきました。お話の前半は音について色々とご紹介いただき、後半は音のによるサインの実例をご紹介いただきました。音の特性や、公共空間で音を演出することの難しさ、さらにお話の途中では実際の音を使ったデモンストレーションなども聞くことができ、知識を広げることの出来た内容でした。今後、聴覚による空間の特徴づけや、音によるサインもこの研究会で取り扱うことが出来ればと感じました。(事務局)

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第15回定例研究会
2008年4月23日(水)18:30〜20:30
井上眼科病院18階会議室
参加者 29名

1.「私の見つけたユニバーサルデザイン」
井上眼科病院 森山涼

2.ユニバーサルデザイン基礎講座(9)
「対象者を考える 日本の人口」
間瀬樹省

3.勉強会
「色のユニバーサルデザインについて」
NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構 伊賀公一

参加者の中から5分程度で身近なユニバーサルデザインについて発表する「私の見つけたユニバーサルデザイン」をスタートしました。今回は、トップバッターとして、井上眼科病院の森山涼さんに、発表をお願いいたしました。横浜のみなとみらい地区周辺のユニバーサルデザインについて、かなりボリュームある報告をしていただきました。
勉強会では、色のユニバーサルデザインにについて、カラーユニバーサルデザイン機構「CUDO」の伊賀公一さんにお話していただきました。通常、もう少し時間を掛けて説明される内容を無理に1時間に短縮してお話していただきましたが、色弱模擬フィルタなども使いながら分かりやすく説明していただきました。色弱者は少数派であるが病気や異常ではないこと、色弱者の方が上手に見分けられる色もあることなど、一般的な認識を改める必要があるような内容の濃いお話をお聞きすることができました。
最後に、短時間でしたが、堺市の林佳奈さんに、調査のサイン改修について、改修後の様子をご報告いただきました。(事務局)

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第14回定例研究会
2008年3月19日(水)18:30〜20:30
井上眼科病院20階第4ラウンジ
参加者 14名

1.ユニバーサルデザイン基礎講座(8)
「ユニバーサルデザインの類義語」
間瀬樹省

2.勉強会
「病院のサイン計画について」
株式会社コトブキ 黒田裕子

3.研究課題
「駅からクリニックへの移動に関する調査−中間報告」
井上眼科病院 千葉マリ・森美紀・志村和可

勉強会では、株式会社コトブキの黒田裕子さんに、病院のサイン計画についてお話していただきました。病院サインの考え方や設計手法、様々な設計・施工事例など、この分野のプロとして様々なお話を伺うことが出来ました。
研究課題では、「駅からクリニックへの移動に関する調査−中間報告」として、井上眼科病院の千葉マリさんを中心に発表がありました。JR御茶ノ水駅及び東京メトロ新御茶ノ水駅からお茶の水・井上眼科クリニックまでの経路において、患者さんがどのような不都合を感じているかをアンケートで調べた結果を報告していただきました。この調査結果は、今後まちづくり協議会にも提出し、お茶の水界隈の街づくりに生かしてもらう予定です。(事務局)

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第13回定例研究会
2008年2月27日(水)18:30〜20:30
井上眼科病院病棟・井上眼科病院18階会議室
参加者 17名

1.見学会
「井上眼科病院」井上賢治院長他

2.勉強会
「病院の水まわりに求められること」
TOTO株式会社 磯誠二

今月改修工事が終了し、リニューアルオープンした井上眼科病院の見学を行いました。1階から3階の病棟部分については、クワハタデザインオフィスの桑波田謙さんがデザインを手がけ、アドバイザーとして鹿島建設の原利明さんが関わっています。病室の出入口には、床材による案内や、手触りで分かる立体文字の部屋番号など、新しい試みがデザインされています。
その後、会議室に移動し、TOTOの磯誠二さんより病院の水周りに関するお話を伺いました。病院の水周りに関する基本事項から、採尿や見づらい衛生陶器を目立たせる試みなど、調査に基づいて使いやすさを高めていこうという取組みをお聞きすることができました。また「癒しのトイレ研究会」において、学会発表や患者会との意見交換など様々な取組みを行っていることもご紹介いただきました。(事務局)

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第12回定例研究会
2008年1月23日(水)18:30〜20:30
井上眼科病院20階第4ラウンジ
参加者 13名

1.ユニバーサルデザイン基礎講座(7)
「ユニバーサルデザインの7原則」
間瀬樹省

2.勉強会
「TOTOのユニバーサルデザインへの取組み」
TOTO株式会社 江藤祐子

勉強会は、TOTO株式会社の江藤祐子さんに、TOTOのユニバーサルデザインへの取組みについてご紹介いただきました。江藤さんは、TOTOが神奈川県茅ヶ崎市に設けた「UD研究所」の所長を務められています。
TOTOのユニバーサルデザインに対する取組みの歴史や、最近の研究から商品化された「A型キッチン」の紹介、また私からのリクエストでUD研究所のサイン計画まで様々な内容をご紹介いただきました。特にユーザー調査に力を入れており、全国にモニター対象の方が大勢いらっしゃるという紹介が印象に残りました。(事務局)

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担当:井上眼科病院内 担当 千葉マリ

私達は診療空間や屋内外の空間のユニバーサルデザインについて学び、研究・調査し、発信する、様々な職種による研究会です