定例研究会報告 2016

2016年に開催した「定例研究会」の開催内容です。

2016年11月16日開催 第113回定例研究会

第113回定例研究会

2016年11月16日18:30〜20:00

新御茶ノ水ビルディング3F会議室

テーマ「視覚障害者が働くバリア、働ける環境」

西井伸嘉氏 NPO法人セイラビリティジャパン

日本で普及しないセーリング・プログラム
難しくて、複雑なセーリング技術
参加するのに高価である事
ユニバーサル・デザインのHANSAと、他のヨットの違い
誰でも乗れるということ→誰でも一緒にできるということ
スポーツだけでなく癒しのレクレーション
日本でのセイラビリティ活動の普及
後発のセーリング・プログラムとして出発
ユニバーサル・デザインの活動とは?
オーストラリアとイギリスのセーリング
海外との交流プログラム
オーストラリア・セイラビリティとの交流レガッタ
2018 HANSA World at Hiroshima
パラリンピック 種目艇 SKUD(SKIFF + UD)の紹介
セーリング・プログラムが今の社会に必要であること
自然に浸るということ
マイナスイオンとゆらぎ

2016年10月31日開催 第112回定例研究会

第111回定例研究会

2016年10月31日18:30〜20:00

西葛西・井上眼科病院B1F会議室

テーマ「『わかりやすい、迷わない医療施設を目指して』〜愛媛県立中央病院での取り組み〜

松村正人氏 大成建設株式会社 設計本部 建築設計第5部長

 愛媛県立中央病院は、愛媛県松山市の中心に位置する827床の総合病院です。PFI方式により、病院の基本理念「県民の安心の拠り所となる病院」をハード面、ソフト面から総合的に具現化しました。
 狭隘な敷地での病院機能を全て維持しながらの建替えという課題を解決するために既存建物の上に新築建物をオーバーハングさせるいう大胆な建替え手法を採用し、これにより、敷地制約に妥協しない高度医療提供に必要な理想の形態を実現しました。
 エントランスを入ると、空港のような3層吹抜の「光のプラザ」が広がり、外来部門を明快な碁盤の目のようなプランとなっています。
 また、建物中央に最上階までつながる「光のパテイオ」を設け、どの階にいても自分の居場所がすぐにわかるような起点として整備しました。
 これにより、サインに頼らず目的地を把握しやすくなり、まさにウェイファインディングに効果を発揮しています。
 勉強会では、提案当時からのUDへの取り組み、提案内容と実際の運用状況、また、最近の当社のUDに対する取り組みなどお話しできればと思っております。

2016年10月5日開催 第111回定例研究会

第111回定例研究会

2016年10月5日18:30〜20:00

西葛西・井上眼科病院B1F会議室

テーマ「新足利赤十字病院の取り組み ―安心と信頼への道程―

鷲見圭司氏 足利赤十字病院 副院長兼事務部長

足利赤十字病院は、2011年7月に全面移転を果たしました。医療環境の成長と変化に対応できるよう機能毎の分棟型建築とした一般病床全室個室など特徴ある病院です。
ハード面では、省CO2推進モデル病院・カーボンニュートラル大賞・省エネ大賞・医療福祉建築賞・国際医療福祉建築賞など多くの評価を頂きました。また、JCI認証や検査部門の国際評価であるISO15189受審準備などソフト面での充実も図っています。当院の理念である「患者の皆さまがかかってよかった、職員のひとりひとりが勤めてよかった、と言える病院を造ります。」の具現化を目指した取り組みついて紹介させて頂きます。

2016年7月13日開催 第110回定例研究会

第110回定例研究会

2016年7月13日18:30〜20:00

丸中ビル5階

テーマ「扉のUDって、引戸にするだけでいいの?

高橋未樹子氏 コマニー株式会社

一般的に扉のUDといえば、引戸にすることをまず考えると思いますが、引戸にも自動ドアや半自動ドア、手動ドアなど様々なタイプがあり、使い勝手はそれぞれ違います。そこで、荷物を持っている人や杖をついている人、車椅子の人がそれぞれの引戸をどうやって使っているのか、使いづらいところはないのか、そもそも開戸はどうして使いづらいのか、といったことを検証実験の動画をお見せして、どんな場合にどの扉が適しているのかをお話しします。そして、せっかく使いやすい扉を選んだとしてもその設置レイアウトによっては使いづらいこともあるので、扉を設置する際の注意点についてもお話しします。また、引戸を設置するスペースがない場合の対応として、折戸など新しい形の扉も紹介します。

2016年6月8日開催 第109回定例研究会

第109回定例研究会

2016年6月8日18:30〜20:00

丸中ビル5階

テーマ「歩くと活きいきする歩道(?)とは」

瀬戸眞弓氏 日本工業大学 生活環境デザイン学科

昔から歩くことによっての心身における効能は定説化しておりますが、この度は歩行する面(歩道?)のあることによって、心が活きいきしてくるということについてお話ししたいと思います。まず、歩く道に必要なことは、バリアフリー化された安全な歩行の環境であります。これには、2035 年には3 人に1 人の人が高齢期を迎えるに当たって、歩道の設置、道幅の拡幅、段差や傾きの解消などの工事が徐々に進められているということです。一方で、生活習慣病の予防のために歩くこと自体が奨励をされております。しかし、歩くことが心に効くという歩道についてはあまり検討されていないといえるでしょう。
は、歩道における歩行面の硬さの違いに着目し、脳科学の手法から、どのような状態の時に心(=脳)が活きいきするかを検討した研究の内容をお話しいたします。今後における具体策についても皆さまとお話しできれば嬉しいと考えています。

2016年5月11日開催 第108回定例研究会

第108回定例研究会

2016年5月11日18:30〜20:00

丸中ビル5階

テーマ「視覚障害者が働くバリア、働ける環境

松坂治男氏 神田 信氏 認定NPO法人タートル

目が見えなくなった中途視覚障害者がどのように働いているか?それにはどのような壁があり、その壁をどのように乗り越えているかを事例やビデオを通して説明いたします。あなたは、目が見えなくなり眼科を受診して、視力は復しない。もっと見えなくなると診断されたらどうしますか?どうやって生活をしてまず、見えなくても働ける方法があることを知ってもらいます。それは当事者だけでなく雇用側にも十分理解してもらうことがとても重要です。目が見えないことは視覚からの情報がとだえる情報障害です。
それを補うための方法や工夫をする事により、視覚情報を補い、業務遂行を可能にしていきます。視覚障害者の就労の観点からユニバーサルデザインについて考えていただければ幸いです。視覚障害者を取り巻く課題にも触れたいと思います。

2016年4月13日開催 第107回定例研究会

第107回定例研究会

2016年4月13日18:30〜20:00

お茶の水・井上眼科クリニック 20階 第4ラウンジ

テーマ「アクセシブルデザインという発想〜目からウロコのモノ・コト作り〜

星川安之氏 公益財団法人共用品推進機構 事務局長・専務理事

 より多くの人が使える製品・サービス・環境を、国際標準化機構(ISO)で、「アクセシブルデザイン」と定義したのは、2001年にISOから発行された「ISO/IECガイド71(規格作成者のための高齢者・障害のある人たちへの配慮設計指針)」でのことです。
 本ガイドの作成を提案し議長国を担ってきた日本では、1990年から障害のある人、高齢の方々への「日常生活における不便さ調査」を繰り返し実施し、その解決策を日本工業規格(JIS)として可視化してきたことの延長線にあるのがこのガイドです。
 現在日本では、37種類のアクセシブルデザインに関するJISが制定され、
さまざまな製品・環境に使用され、市場規模は3兆円に達しています。
 不便さ調査は、「良かったこと調査」へと発展し、対象は製品・環境から
ソフト面でのサービスまで広がってきています。私の所属する共用品推進機構では、2005年に日本で行われた万博、愛・地球博の日本館では、高齢者及び障害のあるひとへの応対に関するガイドを作成、研修を行い、その後のスペイン、中国、韓国、イタリアで行われた万博でも活用され、現在組織委員会が作成している2020東京パラリンピックのアクセシビリティガイドにも反映される予定です。
 ハード、ソフト両面から、アクセシブルデザインの現状と今後についてお話しさせていただけたらと思います。

2016年3月16日開催 第106回定例研究会

第106回定例研究会

2016年3月16日18:30〜20:00

丸中ビル5階

テーマ「障害者の毎日を楽しくするデザイン

伊敷政英氏 Cocktailz代表、アクセシビリティコンサルタント

 私たちの生活を豊かにしてくれるインターネット。特に紙媒体から情報を得ることが難しい視覚障害者にとって、インターネットは、単なる情報入手の手段という枠を超えて、教育や就労、移動、その他日常生活のあらゆるシーンで欠かすことのできないものとなっています。
 しかし現状では、すべてのウェブサイトが視覚障害者にとって使いやすいものになっているわけではありません。そこでこの講演ではまず、視覚障害者がどのようにパソコンやインターネットを活用し、それによって毎日がどんなふうに楽しくなっているかご紹介しますそのうえで視覚障害者を含む誰もが使いやすいウェブサイトのあり方について、事例を交えてお話します。
 また私がここ2年ほど取り組んでいるロービジョンの子供むけノートKIMINOTE(きみのて)や、昨年から活動している「みんなでつくるまちづくり推進協議会」についてもご紹介したいと思います。

2016年2月10日開催 第105回定例研究会

第105回定例研究会

2016年2月10日18:30〜20:00

丸中ビル5階

テーマと講師

井上眼科病院 院長 井上賢治氏眼科専門病院における身体障害者(特に視覚障害者)の就労

井上眼科病院 視能訓練士「井上眼科病院におけるITサポートの実態検討」

井上眼科病院 職員「就労支援を経て視覚障害者が眼科専門病院に就労した経験」

 眼科専門病院を対象にした身体障害者の就労状況に関するアンケート結果および、井上眼科病院におけるロービジョンケア「ITサポート」の実態を実演を交えて紹介します。
 ITサポートは、視能訓練士がIT機器を必要とする患者の実態・ニーズと有用性を、視覚に障害を持つ職員が自身の経験を活かしたサポートや日常の業務についてお話しします。

2016年1月13日開催 第104回定例研究会

第104回定例研究会

2016年1月13日18:30〜20:00

お茶の水・井上眼科クリニック 20階 第4ラウンジ

テーマ「JR御茶ノ水駅改良の概要について

杉崎向秀氏 東日本旅客鉄道株式会社 東京工事事務所

 中央線御茶ノ水駅は、1日当たり乗降人員約10万人であり、中央緩行線(総武線)と中央快速線の乗り換えや、地下鉄との接続もできる交通拠点の一つであり、周辺に多くの病院があるという特徴があります。一方で、バリアフリー設備が未整備であることが課題となっております。
 また、当駅は東西を聖橋と御茶ノ水橋、南北を茗溪通りと神田川に挟まれた狭隘な位置に立地しております。そのため、バリアフリー設備等は、非常に難易度の高い大規模な工事となります。
 今回の講演では、御茶ノ水駅バリアフリー設備等の整備計画概要をお話しします。線路上空に御茶ノ水橋口と聖橋口を結ぶ人工地盤を設置し、2つのホームにそれぞれエレベーター1基・エスカレーター2基を配置することにより、御茶ノ水橋口及び聖橋口への2方向バリアフリールートを整備することで利便性の向上を図ります。併せて、聖橋口と御茶ノ水橋口の改良工事を行います。

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-3295-0190

担当:井上眼科病院内 担当 千葉マリ

私達は診療空間や屋内外の空間のユニバーサルデザインについて学び、研究・調査し、発信する、様々な職種による研究会です