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第47回定例研究会

2010年12月8日18:30〜20:30
和食居酒屋 咲くら お茶の水店


私の見つけたユニバーサルデザイン大会「テーマ『乗り物』」


1)私の見つけたユニバーサルデザイン発表(10名程度)
2)参加者の皆様による投票
3)表彰及び賞品の授与

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第46回定例研究会

2010年11月24日18:30〜20:00
井上眼科病院 18階会議室


テーマ「デンマークの多様性受容と自己決定権」「スティグマデザインからの解放」
株式会社グラディエ 磯村歩氏


第一部「デンマークの多様性受容と自己決定権」
第二部「スティグマデザインからの解放」


福祉先進国・環境立国と呼ばれるデンマークには参照すべき取り組みが多いが、それらは彼らの理念である「自己決定権」「ノーマライゼーション」を背景としている。デンマークにある「重度障がい者を受け入れるエグモント・ホイスコーレン(国民高等学校)」、「多様な国から生徒を受け入れるクロゴップ・ホイスコーレン(国民高等学校)」、「乳幼児から高齢者まで が共同生活をするスヴァンホルム(エコビレッジ)」での長期にわたるエスノグラフィ、そして現地の幼稚園、国民学校、高齢者施設、補助器具センターなどの視察を通じて感じた”彼らの理念”と、”人とモノとの関係”を紐解きお伝えする。その上で今後の日本の課題を提言したい。

第一部は、第3回国際ユニヴァーサルデザイン会議2010にて発表した「デンマークの多様性受容と自己決定権」を基に、大幅に写真・資料を加えご紹介する。
第二部は、デンマーク、イギリス、ドイツの福祉機器展の視察を通じて得られた視点を「スティグマ(不名誉な烙印)デザインからの解放」と題してご紹介する。

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第45回定例研究会開催報告
2010年10月27日(水)18:00〜20:30
井上眼科病院18階会議室
参加者 64名

テーマ
「空港のユニバーサルデザインの取組みの位置づけ」
元首都大学東京教授 秋山哲男氏

「東京国際空港国際線旅客ターミナルビルのユニバーサルデザインの取組み」
東京国際空港ターミナルビル株式会社 北川真人氏

「新千歳国際空港国際線旅客ターミナルビルのユニバーサルデザインの取組み」
北海道総合研究調査会 切通堅太郎氏

今回は、空港のユニバーサルデザイン全般および、今月オープンした羽田空港国際線旅客、今年オープンした新千歳空港国際線旅客のターミナルビルについて、実際に取り組みに関わった方々にお話を伺いました。
羽田、新千歳空港とも設計段階から、様々な障害者・利用者や専門家・有識者の参加を得たワークショップ、ワーキンググループという意見交換の場を設け、それぞれの立場からの要望を空港のユニバーサルデザインに生かしている様子が分かりました。多数の意見を集約調整し、誰もが使いやすいというユニバーサルデザインに落とし込む作業には多くの時間が割かれ、ご苦労もあったようですが、その甲斐あってそれぞれの空港の特徴を生かした施設、運営になっていました。
羽田空港では、ハード面(施設)とともにソフト面(運営)にも力を入れたとのことで、人的対応の一環として、コンシェルジュによる案内体制を充実させていました。また、日本で初めてターミナル内に補助犬専用のトイレを設けたり、エレベーター内に聴覚障害者の意見を取り入れた「聴覚ボタン」を取り付けたりする等、他のターミナル施設では見られない新たな取り組みがなされていました。
新千歳空港は外国人利用者が多いことから、案内表示を6カ国対応(日本語・英語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・韓国語・ロシア語)にするという対策がとられていました。旅慣れた外国人とのワーキンググループを通して、単なる翻訳作業ではなく、言葉の意味や細かなニュアンスを齟齬なく訳すための言語間の調整に力を入れたとのことです。
両施設とも、管理者の異なる施設(出入国審査上、商業施設、駐車場等)については、ユニバーサルデザイン導入の対象外であるとのことでしたが、利用者の一人としては、今後、空港の関連施設全てにユニバーサルデザインが取り入れられることを望みます。事後評価によって開業後に見つかった新たな問題点等につき検討し、スパイラルアップを図っていくことが、今後の課題として上げられていましたので、ユニバーサルデザインを更に取り入れた、利用者にとって快適な施設へとなるものと期待しています。
(井上眼科病院 田所幸代)

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第44回定例研究会開催報告

2010年9月29日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院18階会議室
参加者 26名

テーマ「メルパルク熊本から考える今後の音サインと音環境」

講師 UDNJ 武者圭氏

音サインは単独で作るものでなく、施設の統一デザインの一部として作成するとのことでした。
音サインについては、駅の基準などあるものの、パーティーや婚礼などを行う施設として、「ピンポーン」という音や、トイレ位置の音声(声)案内は相応しくないということで、採用せずに新しい音を作ったそうです。
音サイン設計の際には、「見取り図」「内装仕上げ材料」「来館者数の予想推移」を必ず尋ねるそうで、これが無いと設計できないとのこと。内装材料は、音の残響を推測する意味で欠かせないそうです。
このメルパルクでは、4種類の音を設計しています。フロントは歓迎のイメージ、レストランは食器の音、トイレは波と水玉のイメージ、フロア案内は「森の小径の道案内」だそうです。それぞれ、音を「食器の音」などと呼べるようにすること、この比喩や類推を可能とすることが大切だそうです。
音のサインを実際に設計する方からお話をお聞きすることができ、設計の進め方など知ることができて大変有意義な勉強会であったと感じています。
(空間のユニバーサルデザイン総合研究所 間瀬樹省)

第43回定例研究会

2010年8月25日18:30〜20:00井上眼科病院 18階会議室


テーマ「ユニバーサルデザイントイレ」
TOTO株式会社 賀来尚孝氏 鈴木昭子氏


1.パブリックトイレ 最近の傾向
2.バリアフリー新法とトイレの基準
3.知っておきたい障がいの知識(車いす使用者、オストメイト…など)
4.トイレづくりの配慮ポイント
5.病院におけるトイレの考え方・配慮ポイント

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第42回定例研究会開催報告
2010年7月28日(水)18:30〜20:00
大田区本庁舎 5階特別会議室
参加者26名
テーマ「大田区役所のユニバーサルデザインの取組み」
講師・大田区経営管理部施設管理課  伊東 孝氏

蒲田駅に隣接する大田区本庁舎は、度重なる組織改正によって庁内のサインが煩雑になり、抜本的改善が求められて、2009年7月にサインの全面改修が実施されました。竣工後、「ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会」や「弱視者問題研究会」との意見交換や利用者調査から、晴眼者の方はとても分かりやすくなったという評価でしたが、視覚障がいの方はいくらサインを見やすくしても、それだけで目的地に辿り着くのは困難だという課題が確認されました。そこで更なる改善に取り組み、案内冊子の整備や光サインの改善、屋内用誘導ブロックの設置等によって、視覚障がい者も目的の場所に辿り着けるように工夫改善されているそうです。
説明の後、2班に分かれて丁寧な説明を受けながら、区役所内部を見学させていただきました。1F窓口フロアでは見やすく多言語表記となった案内表示板や、ピクトサインなどを確認しました。上階のELV前では、吹き抜けで逆光になる位置へのサイン設置の難しさを感じました。また、一部のフロアでは、タイルカーペットのなかに硬く光反射率の高いタイルを帯状に設置することにより、視覚障がい者を目的地まで誘導する工夫が見られました。
説明をお聞きするだけでなく実際の現場を見学することにより、体感的に理解が深められ、とても有意義な勉強会となりました。完成したサイン計画を意見交換や実験に基づきより良いものに改善していくという、行政のUDへの姿勢が素晴らしいと感じました。現在一部のフロアにとどまっている誘導タイル敷設を、他のフロアにも展開していただけると良いな、と期待しております。
(有限会社ワークショップマナ 中島秀美)

第41回定例研究会

2010年6月23日18:30〜20:00
井上眼科病院 18階会議室

テーマ「建築の設計・計画をめざす学生から見たユニバーサル・デザイン(UD) UDとは言っていないがUDUDと言っているのにUDでないもの」
日本大学理工学部建築学科 八藤後猛氏


私は、建築の設計・計画コースの学生に対して「社会的デザイン」とはなにかを講義する時間があります。その中に、ユニバーサル・デザインの話しも含まれますが、UDは「社会的デザイン」を形にしたものと位置づけ、多くは語っておりません。 この学習の最後に、学生に標記のような課題を出題します。私たちが思っているものとはちがう視点で、さまざまなものを彼らは見つけてきます。 そうした新鮮な目から、私は毎年教えられることが多くあります。みなさまにも、こうした視点をお伝えし、いまいちどUDの原点にたち帰ることができる機会になることを期待しています。

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第40回定例研究会開催報告

2010年5月26日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院18階会議室
参加者 52名

テーマ「眼科医のロービジョンに対する意識とケアに関して」

講師 西葛西井上眼科病院 鶴岡三惠子氏

① 全国の眼科教授におけるLVに対する意識調査(平成20年)
② LVに対する眼科医の意識調査(平成21年)
③ 西葛西・井上眼科のLVケアの経験
④ 社会資源の提供
以上4つの項目です。

意識調査では眼科医のロービジョンケアに対する意識が向上していると発表がありました。

関心が普及し眼科教育機関附属病院や眼科病院・診療所でもロービジョン外来が開設されています。


遮光眼鏡のデザインに対して参加者から質問がありました。

⇒質問に対して参加していた医師と眼鏡業界の方より常用眼鏡に着脱可能な遮光眼鏡、フレームが細くデザイン性を考えた遮光眼鏡の紹介がありました。

乱反射する問題もありますが種類も増え選ぶ選択肢が増えていると感じました。

日常生活の困難さを改善して、仕事や家庭生活、学校生活を援助するためには、地域の療育センターや盲学校、ロービジョン外来などの福祉施設や専門機関との連携が大事だと思います。ロービジョンケアは医師と本人だけが抱える問題ではなく医療の枠を超えて社会全体で取り組む必要性があります。

(井上眼科病院 板谷真平)

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第39回定例研究会開催報告

2010年4月28日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院18階会議室
参加者 39名

テーマ「世田谷のパートナーシップによるUDまちづくり」

講師 世田谷区 男鹿芳則氏、アトリエ貘 稲田信之氏


男鹿さん

世田谷区では、ユニバーサルデザイン推進条例を定めていますが、特徴としてはバリアフリーや福祉からユニバーサルデザインへ、情報やサービスについて定めていること、区民参加により意見を反映することなどが挙げられます。現在の世田谷のユニバーサルデザイン実現は、区民の方との活動により築き上げられたものなのだそうです。
1983年に「梅が丘ふれあいのあるまちづくり」というパイロット事業の実施より活動を開始、その後定めた要綱が条例になり今に至っています。区民参加による街づくりは、まず多くの方に知ってもらうためにミニコミ誌やイベントを実施することから始めました。設計する方もユニバーサルデザインの意義や方法を知らなかったので「やさしいまちづくりデザインノート」というものも発行し啓蒙を行いました。市民参加については、役所が用意したテーブルについてもらうだけでなく、実際に提案を行えるようにしていきました。運営については「ファンド」という仕組みを作ったそうです。1996年に「福祉のまちづくり学校」をスタート、これは以降名称を変更し現在でも活動が続いています。ここで行うワークショップが実際の整備につながるという仕組みを作り上げています。

稲田さん

「烏山ネット・わぁ〜く・ショップの活動の記録」について発表いただきました。福祉について学ぶ目的で1997年に世田谷区のまちづくり活動に参加、現在まで活動を続けられているそうです。住民が問題点を指摘する場はありましたが、その改善を実現する仕組みがなかったので、それを実現するアフターフォローする活動を行うようになりました。毎月1回、定期的に会議を実施、住民60名程度、行政30名程度の方が登録され、住民が問題を提起したり、行政側が計画について意見を求めたりする活動が行われています。実際に、植栽を狭めて歩道を確保する、バスを待つスペースが無いので近隣と調整し場所を確保するなど数多くの実績を残されています。

お二人のお話をお聞きし、世田谷区のユニバーサルデザインには住民の意見が取り入れられそれが実現できる仕組みがしっかりと構築されていることが大変よく理解できました。また、このような仕組みが作り上げられていることは大変すばらしく、他の地区においてもこのような取り組みが行われていって欲しいと感じました。

(パワープレイス株式会社 間瀬樹省)

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第38回定例研究会開催報告

2010年3月24日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院19階 第1ラウンジ
参加者 67 名

テーマ「見えなくても出来ること〜生活の工夫と知恵〜」
講師 金沢 真理氏
日本網膜色素変性症協会 会長
東京都盲人福祉協会で中途視覚障害者緊急生活訓練事業 主任
視覚障害リハビリテーション協会 元会長

自身も網膜色素変性症であり、周辺にまだらに残っている視野で動いているものや光っているものなどを感じる程度の見え方。その状態で視覚障害になられた都内在住の方の自宅を訪問し、歩行訓練、日常生活訓練、点字の指導などを日々行っている金沢さん。彼女の行っている訓練事業は東京都盲人福祉協会が東京都から委託されているものであり、自立支援法と関係ないため、利用するのに1割の自己負担がかからず、身障手帳取得や事前の判定などを必要とせず、希望すればすぐに訓練を受けられる。まさに緊急支援の最前線である。

人生の途中から視覚障害になったとき日常生活でまず困ることは「文字の読み・書き」だけではなく、外出時に安全に移動することや家の中で快適に暮らすために家事をどのように行うかなど生活に密着したものである。

それらを改善するための工夫は様々ある。金沢さんが紹介してくれたうちの一部を紹介すると、視線を有効に使って階段の段差を見つける方法、交差点で歩行者用信号を見つる目線の運び方、お財布の中の紙幣やコインを正確にすばやく見分ける方法、洋服の色を間違えないようにタグに目立たない印をつけるアイディア、押すと一定の量が出る調味料入れ、まな板と食材にコントラストをつけられる白黒のまな板、お裁縫の時に針穴に通さないでも糸が通る針。また最新の音声機能付きの家電の紹介や、ものしりトークの使い方等々。

視機能が低下して困っている人の相談にのるには、視力がいくつだから、文字を読むのに必要なルーペの倍率は何倍かという光学の知識だけではなく、どれだけたくさんのこういった「引き出し」を持っているかが大切なのだと、10年前にはじめて金沢さんの講演を聞いたときも衝撃をうけましたが、今回また改めて再認識し、初心を思い出しました。

今回、金沢さんが紹介して下さった視覚に障害がある人が利用している「マーク(目印)」「コントラスト」「音声」は、実は誰にとっても便利なものです。それらを限られた人のみが理解して利用するのではなく、みんながその利点を理解しているのが「当たり前」、利用するのが「普通」になれば良いと思いました。

最後になりましたが、金沢さんの今後益々のご活躍をお祈りいたしております。

(井上眼科病院 石井祐子)

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第37回定例研究会開催報告

2010年2月24日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院18階会議室
参加者 48名

テーマ「認知症高齢者に配慮した空間整備・まちづくりのあり方に関する調査研究の取り組み」

講師 財団法人国土技術研究センター 沼田恵子氏、林隆史氏

高齢者の増加から認知症高齢者が増加していて、後期高齢者の10人に1人は認知症があると言われています。在宅介護の流れや認知症予防の観点から安全に外出できる環境整備が求められますが、その研究は進んでいないそうです。認知症高齢者の外出時の課題を明らかにするための「まち歩き調査」と「アンケート調査」の報告と、どうすれば認知症高齢者が住みやすく、外出しやすいまちづくりを実現できるか、お話を伺うことが出来ました。
まち歩き調査では、認知高齢者に眼球運動や注視先を記録するアイマークレコーダーを装着して住み慣れた町を歩いてもらい、その行動とアイマークの記録から、交通事故のリスクを孕むような問題行動が抽出されました。赤信号で渡ったり、車道を歩行したり、左右確認怠ったりというリスクが確認されています。このような問題行動の原因は解明が困難ですが、個人の特性や脳機能障害、空間構成の問題等が考えられるとのことです。
アンケート調査では、重度の認知症でも自宅近くなら1人で散歩していることや、中等度以上で交差点の左右確認が怠る傾向にあること、重度になっていくと視線は下がり、キョロキョロや蛇行して歩く傾向が見られるとのことです。外出時のトラブルは半数以上の方が「転倒」と答えたそうです。また、重症度が上がると生活圏域が狭くなっていく傾向にあるようです。
まちづくりの観点から、「安全確保」「迷い難くする」「出かけたくなる」という空間整備が必要で、これらは認知症だけでなく、全ての高齢者にとって配慮された環境に繋がるとのお話でした。愛知県高浜市吉浜では、これらの知見を実際に反映されたまちの整備が進められているそうです。

(株式会社クワハタデザインオフィス 桑波田謙)

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2010年1月27日 第36回定例研究会開催報告

2010年1月27日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院18階会議室
参加者51名

1.「私の見つけたユニバーサルデザイン」
有限会社アトリエ貘 稲田信之

2.「日本インテリアデザイナー協会の取組みとご案内」
小野意匠計画 小野由起子、アトリエ・ユニ 吉田紗栄子、バリアフリーコンサルタント 小島直子

3.勉強会
「大田区における庁舎ユニバーサルデザイン化の取組み」
クワハタデザインオフィス 桑波田謙

私の見つけたユニバーサルデザインでは、アトリエ獏の稲田さんより、新しいUD事例である横浜の地下鉄「ブルーライン」の見学報告を発表していただきました。また、鹿島建設の原さんがコンサルティングされた江東区砂町のサイン計画や、面白UDとして東洋大学付近の点字ブロックの設置状況についても、あわせてご紹介いただきました。
日本インテリアデザイナー協会(JID)からの発表では、小野さんから昨年開催された「ケアを支えるデザイン展」についてのご紹介がありました。シンポジウムではお茶の水UD研究会代表の井上賢治先生もパネリストとして発表されています。展示会場では、ベッドサイド用の料理ワゴンや手摺等、多くの企業のケア関連商品が展示され、沢山の一般来場者で賑わったそうです。吉田さんからは、高齢者や障害者の住宅環境について、環境整備の重要性をお話いただきました。65歳を超えると家庭内の不慮の事故が急増するそうです。住まい環境を改善していくために、医療従事者や研究者との連携を進めていきたいとのお話でした。小島さんからは、イベントに合わせて出版された書籍「Rooms for Care」をご紹介いただきました。著者はスウェーデンのオーレ・アンダソンで、身体と心のケアに必要な環境要素が優しく説明されています。この本は、日本インテリアデザイナー協会で購入できます。
勉強会は、大田区庁舎のサイン計画についての発表でした。大田区本庁舎はJR蒲田駅に隣接する交通利便性の高い庁舎ですが、度重なる組織改正によって庁内のサインは煩雑になり、視認性も悪く、抜本的改善が求められていました。2009年3月より庁舎サインの現状調査を開始し、LEDを使った誘目性の高い光サインの導入や床面を活用した案内表記等に取り組んでいます。竣工後、「ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会」や「弱視者問題研究会」との意見交換や利用者調査を行いながら、サインだけでは困難な視覚障害者の誘導を改善するために、点字ブロックのように視覚障害者の誘導が行える屋内用誘導タイルの導入が進められています。
今年からお茶の水UD研究会は、運営委員による担当制で毎月の研究会を行うことになり、今回がその第1弾でした。研究会活動が益々活発になり、より多くの参加者で盛り上がっていくことを期待しています。
(株式会社クワハタデザインオフィス 桑波田謙)

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担当:井上眼科病院内 担当 千葉マリ

私達は診療空間や屋内外の空間のユニバーサルデザインについて学び、研究・調査し、発信する、様々な職種による研究会です