第36回研究会の様子.jpg

2010年1月27日 第36回定例研究会開催報告

2010年1月27日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院18階会議室
参加者51名

1.「私の見つけたユニバーサルデザイン」
有限会社アトリエ貘 稲田信之

2.「日本インテリアデザイナー協会の取組みとご案内」
小野意匠計画 小野由起子、アトリエ・ユニ 吉田紗栄子、バリアフリーコンサルタント 小島直子

3.勉強会
「大田区における庁舎ユニバーサルデザイン化の取組み」
クワハタデザインオフィス 桑波田謙

私の見つけたユニバーサルデザインでは、アトリエ獏の稲田さんより、新しいUD事例である横浜の地下鉄「ブルーライン」の見学報告を発表していただきました。また、鹿島建設の原さんがコンサルティングされた江東区砂町のサイン計画や、面白UDとして東洋大学付近の点字ブロックの設置状況についても、あわせてご紹介いただきました。
日本インテリアデザイナー協会(JID)からの発表では、小野さんから昨年開催された「ケアを支えるデザイン展」についてのご紹介がありました。シンポジウムではお茶の水UD研究会代表の井上賢治先生もパネリストとして発表されています。展示会場では、ベッドサイド用の料理ワゴンや手摺等、多くの企業のケア関連商品が展示され、沢山の一般来場者で賑わったそうです。吉田さんからは、高齢者や障害者の住宅環境について、環境整備の重要性をお話いただきました。65歳を超えると家庭内の不慮の事故が急増するそうです。住まい環境を改善していくために、医療従事者や研究者との連携を進めていきたいとのお話でした。小島さんからは、イベントに合わせて出版された書籍「Rooms for Care」をご紹介いただきました。著者はスウェーデンのオーレ・アンダソンで、身体と心のケアに必要な環境要素が優しく説明されています。この本は、日本インテリアデザイナー協会で購入できます。
勉強会は、大田区庁舎のサイン計画についての発表でした。大田区本庁舎はJR蒲田駅に隣接する交通利便性の高い庁舎ですが、度重なる組織改正によって庁内のサインは煩雑になり、視認性も悪く、抜本的改善が求められていました。2009年3月より庁舎サインの現状調査を開始し、LEDを使った誘目性の高い光サインの導入や床面を活用した案内表記等に取り組んでいます。竣工後、「ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会」や「弱視者問題研究会」との意見交換や利用者調査を行いながら、サインだけでは困難な視覚障害者の誘導を改善するために、点字ブロックのように視覚障害者の誘導が行える屋内用誘導タイルの導入が進められています。
今年からお茶の水UD研究会は、運営委員による担当制で毎月の研究会を行うことになり、今回がその第1弾でした。研究会活動が益々活発になり、より多くの参加者で盛り上がっていくことを期待しています。
(株式会社クワハタデザインオフィス 桑波田謙)

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担当:井上眼科病院内 担当 千葉マリ

私達は診療空間や屋内外の空間のユニバーサルデザインについて学び、研究・調査し、発信する、様々な職種による研究会です