定例研究会報告 2015

2015年に開催した「定例研究会」の開催内容です。

2015年11月11日開催 第102回定例研究会

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第102回定例研究会

2015年11月11日18:30〜20:00

お茶の水・井上眼科クリニック 20階 第4ラウンジ

テーマ「心のバリアフリーを考える。」

堀河洋平氏 NPO法人ピアサポート・北 スタジオウーニッシュ

映画監督であり、介護福祉士で現役のヘルパー堀河洋平が、介助を通して障がい者の方々に教わったこと、気づかせていただいたことをお話させていただきます。
短編映画『上にまいります』バリアフリー上映会スタジオウーニッシュ作品(障がい者と健常者が一緒に、バリアフリー映画を作っている団体です)・聴覚障がい者用 字幕付き  ・視覚障がい者用 音声ガイド付き
〜あらすじ〜脳性まひの市川さんは介助者の平田くんと一緒に、恋人と約束した待ち合わせ場所の展望階へと向かいます。しかし行く先々で、非常識な健常者に遭遇して自信を無くしプロポーズする気持ちを失ってしまう。平田くんの励ましに勇気をもらい待ち合わせ場所へ再出発するが、優先エレベーターに乗ろうとしたら健常者が占領していた・・・果たして降りてゆずってくれる人は現れるのだろうか? そして、プロポーズの結末は!? (22分)

 

2015年10月7日開催 第101回定例研究会

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第101回定例研究会

2015年10月7日18:30〜20:00

お茶の水・井上眼科クリニック 19階 第一ラウンジ

テーマ「IPCガイドから見たバリアフリー法

川内美彦氏 東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科

 わが国は、2020年の東京オリンピック、パラリンピックへの準備を進めているが、アクセシビリティ整備において一つの目安となるのが国際パラリンピック委員会によるアクセシビリティ・ガイドである。ここではアクセスは基本的人権だと述べている。また、わが国が2014年1月に批准した障害者権利条約では、合理的配慮を提供しないことは差別であるとしている。ここからわかるのは、世界は人権としてのアクセスを実現するために、画一的な基準による整備から踏み出して、「使える」という実質を担

保することに焦点を当てているということである。一方わが国のバリアフリー法は、アクセスと人権の関係について何も述べておらず、その目的は基準に従った整備をすることであって「使える」かどうかは視野においていないため、海外の視点からは差別法とも言える状態にある。この問題に解説を加え、何が問題なのかを明らかにしたい。


2015年9月9日開催 第100回定例研究会

第100回定例研究会

2015年9月9日18:30〜20:00

丸中ビル 5階 会議室

テーマ「お茶の水UD研究会の歩み」「お茶の水UD研究会への想いと今後」

間瀬樹省 ケアスタディ株式会社

井上賢治 井上眼科病院 理事長

2015年7月8日開催 第99回定例研究会

第99回定例研究会

2015年7月8日18:30〜20:00

丸中ビル 5階 会議室

テーマ「触って色を知る衣服タグ ”いろポチ” の開発」

佐川賢氏 日本女子大家政学部非常勤講師、産業技術総合研究所名誉リサーチャー

 全盲視覚障害者は色に対する関心は高く、特に自分の着ている衣服の色を知って配色をコーディネートしたいという願望がある。本研究はこうした要求に応えるため、触覚を利用したタグにより、視覚障害者に衣服の色を伝える試みを行った。触覚のデザインには色相環という色の基本特性を利用した。基本色10色(赤、橙、黄、…等)を時計回りに配置し、その一点を他よりも大きくするか、または穴あきとして他の点と識別させる。視覚障害者は指先でタグに触れ、その位置を確認して対応する色を知ることができる。多次元尺度構成法による心理実験の結果、全盲視覚障害者が想定する色の近さ・遠さはこの円環構造と一致することが分かった。最終的に、凸点や円環の適切な大きさ等も決め、実際に触覚タグを試作してテストをした結果、平均93%という高い正答率を得た。触覚色彩タグは、現在タグメーカー「フクイ」で製造され“いろポチ”という製品名で市販・実用化されている。

2015年6月10日開催 第98回定例研究会

第98回定例研究会

2015年6月10日18:30〜20:00

丸中ビル 5階 会議室

テーマ「視覚と肢体障害を持って生きる立場からユニバーサルな社会づくりについて思うこと」

視覚障害リハビリテーション協会 吉野由美子氏

私は、物心ついた頃から視覚と足の2重の障害を持って生きてきました。私の障害で周囲の方が分かりやすいのは足の障害の方、でも、学習したり働いたりするのに大きな不利になるのは視覚障害の方なのです。とにかく二つの障害を合わせ持つと言うのはきついことです。その上、65歳を過ぎた頃から、高齢に伴う様々な生活上の困難が出てきました。このような状況の私が、いろいろな活動をするときに出会う、様々な場面を通して、障害のない方や、また単独の障害の方には気づかないような些細な困難を取り上げながら、改めて「誰もが行きやすい社会づくり」に何が大切なのかを考えて見たいと思います。沢山事例を上げて、分かりやすく話をさせていただこうと思います。ご期待ください。

2015年5月13日開催 第97回定例研究会

201505_97.jpeg第97回定例研究会

2015年5月13日18:30〜20:00

西葛西・井上眼行病院

テーマ「「西葛西・井上眼科病院」の院内UD見学ツアー」

西葛西・井上眼科病院は眼科専門病院として1990年より、東京都江戸川区の地域医療を担っています。一般・専門眼科外来のほか32床の入院施設を備え、難易度の手術にも対応してきました。施設の狭隘化の解消と隣接する小児眼科外来・コンタクトレンズ外来の集約を目的に、2015年3月に統合・移転しました。この度の建て替えに際し西葛西・井上眼科病院では、井上眼科病院、お茶の水・井上眼科クリニックで先行導入したUDをスパイラスアップして取り入れました。誘導サイン、院内マップ、照明、床、家具類への工夫のほか、今回は新規に、音サイン(男女トイレ、エントランス)やメーカーと共同開発した「避難誘導用照明内蔵型手すり」なども採用しています。建て替えにあたり、UDの導入を最大限実現できるよう、関係者一同が何度も話し合いや調査などを重ねました。「患者さま第一主義」の基本理念に則った「患者さまにやさしい病院」をぜひご覧ください。


2015年4月8日開催 第96回定例研究会

第96回定例研究会

2015年4月8日18:30〜20:00

丸中ビル 5階 会議室

テーマ「マレーシア人の視覚障害者が見た東京のユニバーサルデザイン」

モハマド・フザイファ・ビン・アハマッド氏 新井愛一郎氏 芳賀裕子氏

皆さんは毎年、アジアやアフリカから視覚障害の留学生が日本に勉強にやってきて、鍼灸やITの技術などを数かけて学び、本国に帰り、仕事や障害者施策の面でリーダーとして活躍していることをご存知でしょうか? 今回はそんな留学生の一人で日本での勉強を終え、月末に帰国するマレーシア人のフザイファさんが『東京で見つけたユニバーサルデザイン』についてお話しします。フザイファさんは網膜色素変性症で目が見えづらい状態です。2008年、先輩の紹介で日本の留学制度のことを知り、この3年間筑筑波大学附属特別支援学校 鍼灸主義療法科で学んできました。日本語も覚え多くの仲間と楽しい留学生活を送ってきました。この間東京の生活でユニバーサルデザインの実際を体験し、帰国後にマレーシアに紹介するために日本の様子をビデオに撮ってYouTubeにアップしています。今回はそのビデオを見ながら、マレーシアに伝えたいと思っている日本のユニバーサルデザインについてお話しするとともに、マレーシアの福祉などのことも皆さんにお話しします。 後半は、1971年の設立より毎年アジアやアフリカから視覚障害の留学生を日本に招聘し、フザイファさんのように、日本での勉学や生活を支援している社会福祉法人国際視覚障害者援護協会の活動を紹介します。理事の新井さんよりグローバルな視覚障害者人材育成の活動の実際を紹介していただきます。パラリンピックを前に多様な人々が一緒に集いユニバーサルデザインをもっと進める必要のある東京の街の未来について一緒に語り合いましょう。

2015年3月11日開催 第95回定例研究会

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第95回定例研究会

2015年3月11日18:30〜20:00

丸中ビル 5階 会議室

テーマ「視覚障害者(全盲)の属性を分析する」

UDNJ 武者圭 氏

1970年代から今日にいたるまで、視覚障害者の歩行を安全にするものとして、点字ブロックや音響信号機の普及がはかられてきました。また、点字ブロックと並んで歩車道段差も重要とされています。しかし、これらが普及されていく中で、例えば車いす使用者と視覚障害者の間で争いが起きているという話もたびたび耳にします。一方、そのような闘争はそもそも存在しない、と言いきる視覚障害当事者もいるようです。視覚障害当事者でない限り、なにが正しいのか理解するのは難しいと思われます。さらに、視覚障害者であったとしても、組織や団体によって主張や言い分が異なっています。こうした事情を認識する1方策として、視覚障害「当事者」の属性をできるだけ客観的・科学的に分析してみようと考えました。


2015年2月25日開催 第94回定例研究会

第94回定例研究会

2015年2月25日18:30〜20:00

丸中ビル 5階 会議室

テーマ「バリアフリーの現状と課題」及び「2020年のオリ・パラに思うこと」

鹿島建設株式会社 原利明 氏

今回は、2題の話題提供をさせていただきます。1つは、バリアフリーの現状と課題と題し、バリアフリー整備によるコンフリクト問題や参加型の問題と更には、バリアフリーの中でこれまであまり議論がされてこなかった、日常事故防止、避難困難者の避難に関する話題提供をさせていただきます。2つ目のテーマは、2020年に開催される、東京オリンピック・パラリンピックのレガシーについて話題提供させていただきます。

2015年1月14日開催 第93回定例研究会

第93回定例研究会

2015年1月14日18:30〜20:00

丸中ビル 5階 会議室

テーマ「『シーンとした会議にさようなら!アイスブレイクを覚えよう』視覚障がいのある方と一緒に意見を交換できるユニバーサル会議術 体験ワークショップ」

LAMAPPA企画 月崎時央氏

各方面でユニバーサルデザインを進めるにあたって、障がいを持つ方や高齢の方にお話を聞いたり、一緒にミーティングを行うことがますます必要になってきます。障害者権利条約によって「私たちのことを私たち抜きに決めないで」という声も高まっています。しかし実際に当事者の皆様の声を聞こうと思っても、会議に慣れない方や自分の意見をいうのがなんとなく苦手な方も少なくありません。こうなるとつい緊張が高くなりダンマリ、シーンとしか会議や、声の大きい人の意見が通る会議、あらかじめの結果をアリバイ的に承認してもらう時間になってしまうという経験をお持ちの方も少なくないと思います。こんな時に、推進型の会議をサポートする裏方がファシリテーターです。あらかじめ会議の方法を設計し、共有し、工夫することで、多様な参加者がリラックスして楽しくコミュニケーションを進めることができます。今回は視覚に障害を持つ方の参加を意識して、どのような方法にすれば場を共有し、和やかに、しかもお互いが必要な情報を交換できるのかを皆様と一緒に考えてみたいと思います。会議の前の緊張をほぐすための「アイスブレイク」を中心に誰でもファシリテーターとして使える小技を体験していただける参加型のワークショップです。研修やビジネスのミーティングにも明日から使える「お持ち帰り」の多いワークショップにしたいと思います。