2010年2月24日 第37回定例研究会開催報告

第37回研究会の様子.jpg第37回定例研究会開催報告

2010年2月24日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院18階会議室
参加者 48名

テーマ「認知症高齢者に配慮した空間整備・まちづくりのあり方に関する調査研究の取り組み」

講師 財団法人国土技術研究センター 沼田恵子氏、林隆史氏

高齢者の増加から認知症高齢者が増加していて、後期高齢者の10人に1人は認知症があると言われています。在宅介護の流れや認知症予防の観点から安全に外出できる環境整備が求められますが、その研究は進んでいないそうです。認知症高齢者の外出時の課題を明らかにするための「まち歩き調査」と「アンケート調査」の報告と、どうすれば認知症高齢者が住みやすく、外出しやすいまちづくりを実現できるか、お話を伺うことが出来ました。
まち歩き調査では、認知高齢者に眼球運動や注視先を記録するアイマークレコーダーを装着して住み慣れた町を歩いてもらい、その行動とアイマークの記録から、交通事故のリスクを孕むような問題行動が抽出されました。赤信号で渡ったり、車道を歩行したり、左右確認怠ったりというリスクが確認されています。このような問題行動の原因は解明が困難ですが、個人の特性や脳機能障害、空間構成の問題等が考えられるとのことです。
アンケート調査では、重度の認知症でも自宅近くなら1人で散歩していることや、中等度以上で交差点の左右確認が怠る傾向にあること、重度になっていくと視線は下がり、キョロキョロや蛇行して歩く傾向が見られるとのことです。外出時のトラブルは半数以上の方が「転倒」と答えたそうです。また、重症度が上がると生活圏域が狭くなっていく傾向にあるようです。
まちづくりの観点から、「安全確保」「迷い難くする」「出かけたくなる」という空間整備が必要で、これらは認知症だけでなく、全ての高齢者にとって配慮された環境に繋がるとのお話でした。愛知県高浜市吉浜では、これらの知見を実際に反映されたまちの整備が進められているそうです。

(株式会社クワハタデザインオフィス 桑波田謙)