2010年10月27日第45回定例研究会開催報告

第45回定例研究会の様子.jpg第45回定例研究会開催報告
2010年10月27日(水)18:00〜20:30
井上眼科病院18階会議室
参加者 64名

テーマ
「空港のユニバーサルデザインの取組みの位置づけ」
元首都大学東京教授 秋山哲男氏

「東京国際空港国際線旅客ターミナルビルのユニバーサルデザインの取組み」
東京国際空港ターミナルビル株式会社 北川真人氏

「新千歳国際空港国際線旅客ターミナルビルのユニバーサルデザインの取組み」
北海道総合研究調査会 切通堅太郎氏

今回は、空港のユニバーサルデザイン全般および、今月オープンした羽田空港国際線旅客、今年オープンした新千歳空港国際線旅客のターミナルビルについて、実際に取り組みに関わった方々にお話を伺いました。
羽田、新千歳空港とも設計段階から、様々な障害者・利用者や専門家・有識者の参加を得たワークショップ、ワーキンググループという意見交換の場を設け、それぞれの立場からの要望を空港のユニバーサルデザインに生かしている様子が分かりました。多数の意見を集約調整し、誰もが使いやすいというユニバーサルデザインに落とし込む作業には多くの時間が割かれ、ご苦労もあったようですが、その甲斐あってそれぞれの空港の特徴を生かした施設、運営になっていました。
羽田空港では、ハード面(施設)とともにソフト面(運営)にも力を入れたとのことで、人的対応の一環として、コンシェルジュによる案内体制を充実させていました。また、日本で初めてターミナル内に補助犬専用のトイレを設けたり、エレベーター内に聴覚障害者の意見を取り入れた「聴覚ボタン」を取り付けたりする等、他のターミナル施設では見られない新たな取り組みがなされていました。
新千歳空港は外国人利用者が多いことから、案内表示を6カ国対応(日本語・英語・中国語(簡体字)・中国語(繁体字)・韓国語・ロシア語)にするという対策がとられていました。旅慣れた外国人とのワーキンググループを通して、単なる翻訳作業ではなく、言葉の意味や細かなニュアンスを齟齬なく訳すための言語間の調整に力を入れたとのことです。
両施設とも、管理者の異なる施設(出入国審査上、商業施設、駐車場等)については、ユニバーサルデザイン導入の対象外であるとのことでしたが、利用者の一人としては、今後、空港の関連施設全てにユニバーサルデザインが取り入れられることを望みます。事後評価によって開業後に見つかった新たな問題点等につき検討し、スパイラルアップを図っていくことが、今後の課題として上げられていましたので、ユニバーサルデザインを更に取り入れた、利用者にとって快適な施設へとなるものと期待しています。
(井上眼科病院 田所幸代)