
第34回定例研究会
2009年11月25日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院18階会議室
参加者61名
テーマ「加齢黄斑変性のクオリティオブライフとロービジョンケア」
講師 駿河台日本大学病院 藤田京子氏
藤田先生が研究されてきた加齢黄斑変性について、疾患の概要とQOL(クオリティオブライフ)、そしてロービジョンケアと今後の展望についてのご紹介がありました。
加齢黄斑変性は、目の黄斑部の網膜が枯れていく「萎縮型」と脈絡膜新生血管(血液成分が漏出しやすく破綻しやすい)ができてしまう「滲出型」有無によって分類されます。日本人には「滲出型」が多く、進行は急激で治療法はあるものの完治は困難です。抗血管内皮増殖因子薬を注射する方法が有力であるが、治療が高額で効かない人もいる点が問題があります。
加齢黄斑変性は視野の中央が見えなくなるので、見たいところが見えにくくなります。英国で開発された質問表で日常動作について調査すると、周辺視野があるので歩行などには問題が少ないが、新聞や手紙を読むことなどに困難を感じていることがわかります。
読書等の困難を克服方法は、ロービジョンケアによることになります。一般的には拡大鏡等の使用になり、このようなケアはQOL向上に役立つことが調査でも確認されました。今後、理工系や心理系など他分野とのコラボレーションを進めることで、見え方をシミュレーションする方法や信頼性の高い評価法、ゆがみを測定してそれを補正する方法などの開発が望まれます。また、原因の究明や予防などが進むことも必要であるとのことでした。
(パワープレイス株式会社 間瀬樹省)