2009年8月26日 第31回定例研究会開催報告

第31回研究会の様子.jpg第31回定例研究会
2009年8月26日(水)18:30〜20:00
井上眼科病院18階会議室
参加者42名

テーマ「出版のユニバーサルデザイン」 〜読むこと生きること〜
講師 株式会社大活字 市橋竜正氏

「読書権」。「大活字本」。どちらも耳慣れない言葉でスタートした今回の講義は、「出版のユニバーサルデザイン」をテーマに、大活字本の歴史や弱視者の生活の実態・思いがわかるお話をしていただきました。
“「読書権」は基本的人権のひとつであり、@何よりも知識や豊かな心は幼児期からの読書体験が重要、A点字・音声等との併用により、出版・読書・生活のUDが実現し全ての人にとって豊かな暮らしやすい社会の形成につながる”、という考え方とのことです。
大活字本の出版は、弱視者等の「寝転がって」、「電車の中で」、本を読みたい、という思いを実現すべく、著作権切れの文庫本(1冊は分冊3冊に)や教科書の一部を中心に出版されているそうです。点字本と違い公的助成がなく、購入費助成制度制定の署名活動にも力を入れているとのことでした。また、著作権問題から出版できる本が限られるため、他の出版社との取り組みも始めたそうです。同じ本で文字のサイズ・本のサイズの違う3タイプの大活字本を実際に見せていただきましたが、高齢者にはとても読みやすいだろうと思われました。
合わせて、生活のUDとして使いやすいと思う商品の紹介を「ドリーム大活字」という店舗で展開、月2点は新しく見つけようと日々探しているとのことです。実際に商品を使われている店長の藤沢氏より使い勝手につい説明していただきました。ヒット商品は、白黒反転カレンダーだそうです。本当にわずかな心遣いで使いやすさが大きく違うということを実感できました。
まだまだ認知度が低いと思われる大活字本ですが、より多くの方々にとって読みやすい書籍として普及されることを期待します。

(株式会社コトブキ 黒田裕子)