第27回研究会の様子.jpg

第27回定例研究会
2009年4月22日(水)18:30〜20:20
井上眼科病院18階会議室
参加者 40名

1.「ダイアログインインザダーク」体験報告
クワハタデザインオフィス 桑波田謙

「暗闇のエンターテイメント」といわれる〝ダイアログ・イン・ザ・ダーク〟についての体験談を紹介されました。これは、アテンド(視覚障害者)のサポートのもと、完全に光を遮断した空間の中へグループで入り、中を探検しながら様々な体験をするといったイベントです。その過程の中で、視覚以外の聴覚・触覚・臭覚・味覚など様々な感覚の可能性と心地よさに気づき、そしてコミュニケーションの大切さ、人の温かさなどを思い出させてくれる文化的なワークショップのようです。話を聴きながら、是非参加したいと思いました。

2.勉強会
「視覚障害者誘導用ブロックの現状とユニバーサルデザインについて」
日本学術振興会特別研究員 小林吉之

小林さんには、以下の項目について研究過程および成果を踏まえた講演をいただいた。

①視覚障害者誘導用ブロックについて
②ブロックが歩行に与える影響の評価
③床仕上げ材の識別容易性

先ず驚いたのは、視覚障害者誘導用ブロックが1965年に日本で開発されたことだった。今や世界に普及されているが、その形状や色、表現方法は国によって様々であり、一定の規格がないのにも驚く反面、視覚障害者が海外へ行ったときには困るのでは?と思った。小林さんの研究は、〝磁器タイル(硬い)〟〝ゴムチップ(中間)〟〝カーペット(やわらかい)〟と〝誘導用ブロック(凸凹)〟の各組み合わせで、視覚障害者にとっては何が一番安全で分かり易いかという認識度テスト(材質による弾性差や摩擦差など感触)を重ね、その成果を室内向け用として、〝御影石(つるつる)〟〝御影石(ざらざら)〟〝カーペット〟など床仕上げ材を用い研究するといったものであり、結果、かなりの成果があがったようだ。
話のまとめとしては、誘導用ブロックは車椅子の利用者には難点あるが、誘導用ブロックと各素材のそれぞれの利点を使い分けて屋外・屋内に利用し、視覚障害者にとってより一層安全で、スムースな歩行ができるようにするべきとのことだった。
小林さんの、さらなる研究成果に期待したい。

(神尾記念病院 太田正孝)

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担当:井上眼科病院内 担当 千葉マリ

私達は診療空間や屋内外の空間のユニバーサルデザインについて学び、研究・調査し、発信する、様々な職種による研究会です