
第25回定例研究会
2009年2月25日(水)18:30〜20:20
お茶の水・井上眼科クリニック 第1ラウンジ
参加者 72名
1.「私の見つけたユニバーサルデザイン」
井上眼科病院 南雲幹
2.勉強会
「ロービジョンケアの実際」
国立障害者リハビリテーションセンター病院 仲泊聡
はじめに、ロービジョンとは「視覚に何らかの障害を持ち生活に支障をきたした状態」と定義してくださった上で、通常の見え方と視覚障害がある場合の様々な見え方を動画でわかりやすくシミュレーションしていただきました。それから「ロービジョンケアの6つの基本」のお話に入っていきました。
一つ目は「ニーズの分析」。患者が何に困っているかについて、具体的・客観的に分析し、真のニーズを見極めます。その場で簡単な情報を提供することでロービジョンケア(LVC)への動機づけとなるとのことでした。
次に、「保有視機能の再評価」。視力(書類作成用のいわゆる視力とLVCに活用する極限の中心視力)、読書速度(MNREAD-J)、視野、色覚、ERG、斜視、眼筋麻痺などの再評価です。
参考:MNREAD-J http://www.cis.twcu.ac.jp/~k-oda/MNREAD-J/
三つ目に「書類の作成」。身体障害者手帳・障害年金などの申請に必要な書類を整えることです。また、四つ目は「社会資源」で、支援制度、支援施設、支援団体の活動などについての情報提供が大切とのことです。神奈川県には「神奈川ロービジョンネットワーク(KLVN)」があり、ホームページから情報を収集できるそうです。
http://www7.ocn.ne.jp/~kanaklvn/
五つ目は「ロービジョンエイド」です。ロービジョンエイドには拡大、遮光、照明、眼球運動訓練、便利グッズの5種類があるということと、それぞれ具体的な例を挙げていただきました。
そして六つ目は「環境整備」です。視覚障害者は障害を記憶でカバーしているため、基本的なこととして、物の位置を変えないのが大事だそうです。記憶を容易にすることもユニバーサルデザインではないかと思いました。
最後に10年後のロービジョンケアについても言及されました。以下に紹介された一部と参考URLを載せます。
日本版Smart Sight
http://one.aao.org/CE/EducationalContent/Smartsight.aspx
未来型補助具(AuxDeco)
http://www.eyeplus2.com/service.html
失明の治療
http://www.nature.com/neuro/journal/v11/n6/abs/nn.2117.html
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18432197
今回、貴重なお話をうかがって、とても勉強になり、刺激を受けました。ロービジョンケアだけに限りませんが、さまざまな機関や人が関わる場合、広い情報収集と、いろいろな視点から考えることの重要性を改めて感じました。ミクロにもマクロにも考えられるようになるために、日々努力してきたいと思います。
(西葛西・井上眼科病院 鈴木理子)